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「クモがこわい!」幼少期の潜在意識に記憶された恐怖症〜〜〜川上メソッド「ささやき療法」の実践
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- 2009/06/08(Mon) -
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わたしが勤務するクリニックに通われている30代の女性A子さん。御本人の了承を得て、潜在意識の表出をご紹介します。
慢性の抑うつがあり、鎮痛剤を乱用するA子さん。「薬の飲みすぎをやめたい。でも自分ではどうしようもなくって薬をのんでしまう。」ここのところはずっと、市販の鎮痛剤を2、3日で一箱飲んでしまうそうです。一時は、リストカットを繰り返したこともありました。 初めてお会いした時、A子さんはほとんどお話しをされませんでした。数回お会いするうちに、ご自分の家庭の悩みや生育歴について教えてくださるようになりました。 子供の頃のA子さんは、ご両親が共働きで祖父母に預けられていたそうです。夜にお仕事されていたご両親と、会うこともできない日が続いたといいます。祖父母はかわいがってくれたものの、知らず知らずのうちに一人で我慢し、自分の気持ちをあまり話さないようになっていきました。 ある日、診察室に入って来られたA子さんの様子がいつもと違っていました。 青い顔をして肩を震わせ、何を聞いても返事をしません。 「なにがあったの?」「なんでも話していいですよ」私が何度か声を掛けるうちに、ようやく小さな声で返事がありました。「こわいのをみたの」「こわいのって?」「その言葉も言いたくないくらいこわい、嫌い」。しばらくやりとりするうち、「くも!」「来る途中、自転車のカゴにいたの!」とようやく教えてくれました。 A子さんの子供時代の潜在意識のようでした。一人で遊んでいる時に、クモをみてこわい思いをしたのかも知れません。誰かがそばにいてくれれば、そうした体験も成長の大切なステップですが、一人ぼっちの子供には、つらいことでもあるでしょう。 A子さんの両親に代わって、私が励ましの声をかけることにしました。 「A子ちゃん、一人にしてごめんね。こわい事があったら言いなさい。お父さんも、お母さんも、すぐに飛んで来るからね。」A子さんの耳もとで、繰り返しささやきました。A子さんには目を閉じて、ゆっくり呼吸をしてもらいました。瞑想状態でささやくと、言葉がスッと心に届く効果があるのです。 頭では「そんなの必要ない。子供だまし。」と感じても、潜在意識が表出しているときの心は、子供のようにじっと耳を傾けます。A子さんはぽろぽろと涙を流しながらうなずいていました。ささやきは言葉の注射のようなものです。 それから1週間、A子さんはぼーっとして頭痛があり、寝込んでいました。鎮痛剤は規定どおり服用し、乱用はしなかったそうです。強く抑圧していた潜在意識が解放されると、数日から1週間ぼんやり脱力したようになることがしばしばあります。A子さんが次にクリニックに来られた時には、ご両親への思いを紙に綴っていらっしゃいました。 1回の潜在意識の癒しで、ガラリと変わる訳ではありません。ただ、潜在意識の表出を否定されず、受け止めてもらうことに意味があります。 A子さんが、少しずつでもご自分の気持ちを率直に表現して、自分らしく生きていけるよう、私にできるお手伝いをしていこうと考えています。 ささやき療法を開発し、日々実践され、私達を指導して下さる川上光正先生に感謝をこめて。 |
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